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Yoru no ma

月の衛星

 

 

私は月に衛星を打ち上げる

長方形の脚のついた木目を南西へ

過去とどこかを映すコロニーを北東へ

しぶしぶ光る、寝ぼけた極彩(ないしは暗黒)を南へ

ドレスを西へ

他所の国は西に

さて、月のつもりになってぐるりと見渡した

少々汚いが、悪くない。

「欠け落ちたものこそ良い」し、「端にかかる煤は蒼空に勝る」。

不動の衛星たちが際立つ月光に照らされて、影を作る。

​私はその影に身を捨てて、また背を地に預けて、目を閉ざした。

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