夜の間
そっぽを向いた霧を眺めた
逸らされた瞳に映る画は掴めず
遠くの山達と一緒になってぼんやりと消えた
そこに私はいなかった
じわりと撫でる湿も
先に伝う雫の艶も
ついぞ私には 彼は遠くにいた
生まれた時からずっと
私は穢れ、擦れて、染まる
彼の澄んだ瞳が欲しい
彼と生きたい